ダムタイプ

表現と「わたし」の身体
—dumb type《S/N》のパフォーマー、THE OK GIRLSとブブ・ド・ラ・マドレーヌが語る

1992年、故・古橋悌二自身が同性間のセックスでHIVに感染し、エイズも発症したことを友人たちへ手紙で伝えた。その手紙を新作パフォーマンス《S/N》(1994-96年)の制作途上であったdumb typeのメンバーはどのように受けとめたのか。本トークでは、《S/N》の制作・公演中から現在にいたるまで、dumb typeの活動だけでなく、領域横断的な個々の活動を、精力的に展開してきた砂山典子、田中真由美、薮内美佐子、ブブ・ド・ラ・マドレーヌの4人をゲストに迎える。古橋の手紙は何を突きつけ、彼女たちはどのような表現で応えようとしたのか。そして、2022年、新しい感染症の世界的な広がりと、個人や国家の境界を巡る危機の時代に、身体で表現を続ける彼女たちの語りから、「わたし」の身体を考える。

砂山典子 / SNATCH

黒沢美香&ダンサーズとして1988年にdumb typeとのコラボレーションに参加。1990年からdumb typeのメンバーとして全パフォーマンス作品に出演。並行してジャンル横断的に国内外のアーティストと数多くのコラボレーションを試みている。1995年より現在に至るまで、ライブインスタレーション「むせかえる世界」を国内外で発表。2022年にはファッションブランド un:ten とパフォーマンス発表。そのほか、THE TETORAPOTZのゲストとしてハワイトリエンナーレに参加するなど多岐にわたる活動を展開。

田中真由美 / MAMIUMU

1990年からdumb typeのメンバーとして全パフォーマンス作品に参加。近年、MAMIUMUの名義にて独自の発声法による聲、グラスハープ、ライアー、笛、太鼓、木・石・金属の鳴り物等の楽器と道具を使った音による響きの時空間を現出しひとつとなり創造することを基盤とするサウンドパフォーマンスを行う。2021年には『Yumehaku Art & Food in RURIKOJI「Osmosis 滲透」』に参加。

Photo by Miyuki Yamanaka

薮内美佐子

1984年の創設時よりdumb typeに参加し現在に至る。ソロでは絵画、映像、手芸、詩などをゆっくりとしたペースで発表したり、地域密着型アートプロジェクトでワークショップを担当したりしている。アーティストとのコラボレーションやグループワークも多数。2022年は”山/完全版”のメンバーとして音楽フェスCounterflows at Glasgowに参加。個人が尊重される社会の実現を望む。

ブブ・ド・ラ・マドレーヌ

dumb typeのメンバーとして、《S/N》(1994-96)に出演。その後はソロまたは国内外のアーティストと共にパフォーマンスやインスタレーション、絵画等を制作。アートワークと平行して、HIV/エイズと共に生きる人やセックスワーカー・女性・セクシュアルマイノリティなどの性の健康と安全のための市民活動にも携わる。最新の個展は「人魚の領土ー旗と内臓」(オオタファインアーツ、東京、2022年)。

猪飼尚司

エディター/ライター。ジャーナリズムを専攻後、渡仏。帰国後、フリーランスとして活動を開始する。デザイン、工芸、アート、建築の分野を中心に、国内外で取材。『Casa Brutus』『Pen』『ELLE Deco』などの雑誌に寄稿するほか、企業ブランディング、展覧会の企画、地場産業プロジェクトのサポートも手がける。