AWT
VIDEO

元始、女性は太陽であった
キュレーター:チュス・マルティネス

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2023年11月2日(木)–5日(日)10:00–18:00
無料
高田冬彦《Dream Catcher》2018年
©︎ Fuyuhiko Takata, courtesy the artist and Waitingroom.
森栄喜《シボレス—鼓動に合わせて目を瞬く》2020年
© Eiki Mori, courtesy Ken Nakahashi.
マイヤ・タンミ《The Problem of the Hydra》2020年
©︎ Maija Tammi, courtesy Kana Kawanishi Gallery.

AWT VIDEOは、海外で活躍するキュレーターがAWT参加ギャラリーのアーティストの映像作品から厳選したビデオプログラムを上映する企画です。会場は、オフィシャルパートナーのSMBCグループが提供する三井住友銀行東館です。

今回は、スペイン出身でスイス・バーゼルを拠点に活動するチュス・マルティネスが「ジェンダー」と「自然」をテーマに選定した14作家・17作品から成るプログラム「元始、女性は太陽であった」を上映します。

キュレーターステートメント

今回のプログラムタイトルは、日本における女性解放運動の先駆者として明治から昭和にかけて活躍した思想家・平塚らいてうの自伝『元始、女性は太陽であった』にインスピレーションを得たものです。英語では「Woman Was the Sun」と訳されるこの素晴らしい本のタイトルからはさまざまな解釈が可能ですが、その中でも、あるひとつの捉え方が今の私には非常に切実に感じられます。

人間になる前、我々は太陽でした。人間になったあとも、我々は夢や水、池、精神、言葉といった可変な存在であり続けることができます。状態を変化させる方法を学ぶことは難しいですが、未来を確かなものにしていくためには改革が不可欠です。継続的に変化することで自らに最初に与えられたアイデンティティに挑戦する力は、我々に本質的に備わったテクノロジーだと言えます。芸術、中でもとりわけ映像芸術は、古代の知恵と現代の幻想や不安が交錯した、我々の現在を動かし決定することができる表現方法なのです。

全3パートから構成される今回のプログラムの作品に共通する手がかりは、それぞれのアーティストが自身のイメージに信頼を寄せていて、観る者が解釈を保留したまま異なる意識状態に没入できるという点です。そのような鑑賞体験を通じて、現実と非現実、人間と非人間、現在と過去、夢と覚醒といった区分は、単なる人工的な概念にすぎないのだと気づかされます。

たとえば、川になったり、夢の中に住んだり、そしてまた別の存在になったり……未来を見渡すため私たちがまずすべきなのは、生命のあらゆる領域に入り込むことです。これは、自制し、自立した存在であり続けるためのエクササイズです。一体、何のためにそんなことをするのでしょうか? すべては、ケアすることや寛容さを経験する美しさを知り、孤独を乗り越えていくためです。

About the Curator

About the Curator

チュス・マルティネス

出展作家

岡田裕子

利部志穂

笹本晃

クゥワイ・サムナン

地主麻衣子

清水裕貴

高田冬彦

田口行弘

W HIROKO Project (伊藤弘子 × 岡田裕子)

マイヤ・タンミ

シャルロット・デュマ

葉山嶺

布施琳太郎

森栄喜