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アダム・シムジック × ドリアン・チョン
東京の表と裏:グローバルな文脈から日本美術を読み解く
グローバル化した現代アートの世界で、展覧会の企画者たちは「placeness(場とのつながり)」にどう向き合っているのでしょう?
豊かでたちに複雑な美術史をもつ日本は、キュレータークリエイティブな土壌を提供してきました。しかし、日本の近現代美術展は往々にして、帝国主義や移民、貿易といった国を横断するテーマと交差する芸術活動に「国民的特徴」をあてはめがちです。物事に不変的な性質があると考える「本質主義」を脱しつつも、「placeness」に目を向けアプローチをとることで、どのような可能性が生まれるのでしょう?
2025年のアートウィーク東京(AWT)開催に先駆け、国際的なキュレーターであるアダム・シムジックとドリアン・チョンが、現代アートを新たな視点から読み解く手掛かりを議論します。
※本動画は字幕付きで視聴いただけます。動画プレーヤー上の「設定」アイコンから「字幕」で言語をご選択ください。
アダム・シムジック
チューリッヒ在住のキュレーター、作家、編集者。チューリッヒ美術館のDas Büro für geistige Mitarbeitキュレーター。2014年から17年まで「ドクメンタ14」のアーティスティック・ディレクターを、03年から14年までクンストハレ・バーゼルのディレクター兼チーフ・キュレーターを務めた。22年にチューリッヒに現代アートと文化のための非営利団体Verein by Associationを設立。
ドリアン・チョン
M+(香港)のアーティスティックディレクター、チーフキュレーター。デザインと建築、映像、視覚芸術において、コレクションから展覧会、教育普及プログラム、出版物、デジタルイニシアティブまですべてのキュレーション活動とプログラムを監督している。M+で企画・監督した展覧会に「Picasso for Asia: A Conversation」(2025年、フランソワ・ダローとの共同企画)、「Yayoi Kusama: 1945 to Now」(2022年、吉竹美香との共同企画)、「Noguchi for Danh Vo: Counterpoint」(2018年)など。2015年から24年にかけては、香港のヴェネチア・ビエンナーレ参加の企画・監督もサポートした。現職着任以前は、ニューヨーク近代美術館、ミネアポリスのウォーカー・アート・センター、サンフランシスコのアジア美術館に勤務。その間MoMAでの「Tokyo 1955–1970: A New Avant-Garde」(2012年)やウォーカー・アート・センターでの「Tetsumi Kudo: Garden of Metamorphosis」(2008年)、「House of Oracles: A Huang Yong Ping Retrospective」(2005年)などを企画した。
アンドリュー・マークル
東京在住のライター、編集者、翻訳家。アートウィーク東京エディトリアル・ディレクター。2010年から2024年まで、バイリンガルのオンライン出版「ART iT」の副編集長。2006年から2008年までニューヨークのArtAsiaPacificの副編集長を務め、毎年発行されるAlmanacの編集に携わる。『Aperture』、『Art & Australia』、『Artforum』、『frieze』などの国際誌に寄稿。主な出版物に、菅木志雄論集第1巻の英訳版(Skira社、2021年)。2018年から2023年まで東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科で教鞭をとる。