DI­REC­TORS
CON­VER­SA­TION

現代美術館や近代美術館をはじめとする大規模な美術館は、その運営規模の大きさゆえに複雑な可能性と課題に直面しています。

莫大な文化的資本を持つこうした美術館は、過去にも未来にも目を向け、社会やテクノロジーの変化に呼応しながら、歴史の見方を広げる役割を担ってきました。ただし、その運営にはスタッフの人件費から作品の保管や輸送、保険まで、膨大なコストがかかり、行政や企業、個人のパトロンとも協力しつつ、美術専門家から一般の来館者まで多様な観客層に応える必要に迫られてきました。さらにそうした関心は、21世紀ならではの「アテンション・エコノミー(注意経済)」によって絶えず変化しています。

経済的・地政学的な不確実性が高まる現代において、美術館はいかにして変容し続ける環境を乗り越えようとしているのか。そこからどんな可能性や課題が生まれているのか。そして、美術館はどのような物語を新たに提示できるのか。

2025年に初開催される「ディレクターズ・カンバセーション」では、世界各地の美術館のリーダーたちが一堂に会し、美術館運営やプログラムのつくり方、観客との関わり方について議論。それぞれの美術館がその地域ならではの条件や状況にどう向き合い、国際的なディスコース(言説)とのつながりを保ちながら活動しているのかを共有することで、異なる文脈に応用できる共通の実践のアイデアを生み出すことを目指します。

モデレーターを務めるのは、M+のアーティスティックディレクター兼チーフキュレーターのドリアン・チョンです。2021年11月に香港に開館したM+は、アジアの現代視覚文化をグローバルな文脈のなかで紹介することを目指してきました。チョンは2013年にM+に参加して以来、同館の創設と発展に大きく貢献したほか、国立新美術館で開催中の「時代のプリズム:日本で生まれた美術表現 1989-2010」のキュラトリアルディレクターを務めています。


出演者

ドリアン・チョン

DORYUN CHONG

モデレーター

ドリアン・チョンの画像
Photo by Dan Leung.
Courtesy M+, Hong Kong.

スザンヌ・ゲンスハイマー

SUSANNE GAENSHEIMER

登壇者

スザンヌ・ゲンスハイマーの画像
Photo by Andreas Endermann

マヌエル・セガデ・ロデイロ

MANUEL SEGADE

登壇者

マヌエル・セガデ・ロデイロの画像
Photo by Yago Castromil

フィリップ・ティナリ

PHILIP TINARI

登壇者

フィリップ・ティナリの画像

日程:11月6日(木)17:00–18:00

会場:東京都現代美術館 講堂/江東区三好4-1-1

定員:190名

料金:無料、事前申込制

言語:英語・日本語(同時通訳あり)

主催:アートウィーク東京、東京都現代美術館

東京都現代美術館