EXHIBI­TIONS

エキシビジョン

松澤 宥「私の死―色による美術、言語による美術」

松澤 宥
松澤宥《プサイの⿃》1959年
© The Estate of Yutaka Matsuzawa, courtesy Yumiko Chiba Associates.

松澤宥(1922–2006)は長野県諏訪町に生まれ、同地を拠点に国際的に活動した「観念美術」の先駆者。彼の芸術に通底するのは、物質に対する本質的な検討、そして文明に対する批評眼と言える。彼は生涯、眼に見えないものを世界のあらゆる人に伝達することを目指した。その表現は詩に始まり、絵画や立体としての「色による美術」へ変化。さらに「言語による美術」、つまり物質的実体をもたない表現へ移行していった。本展では、1950 年代の美しい色彩とマチエールをもつ「色による美術」、1964 年に「オブジェを消せ」との啓示を受けた前後に制作した、初期の「言語による美術」、さらに1970 年の「第10 回 日本国際美術展(「人間と物質」展、東京ビエンナーレ)」で発表した「観念美術」の代表作《私の死》を紹介する。


ユミコチバアソシエイツ

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Photo by Masaru Yanagiba.

1988年、マネジメントおよびプランニングオフィスとして設立。2010年、西新宿にギャラリースペースをオープン。22年、六本木の新スペースに移転。美術館やギャラリーといった美術機関での展覧会やプロジェクトを手掛けるほか、ファッション、インテリアなどにもアプローチし、ジャンルを超えたコラボレーションを実現している。高松次郎、眞板雅文、吉田克朗など歴史的に重要な物故作家のエステート運営、国際アートフェアへの出展を行うほか、作家についての歴史的な理解を促し、社会的な認知度を高めるため、評論家のテキストを掲載した研究冊子を数多く出版。また新スペースの移転と共に、芸術・美術分野以外の専門家や研究者も招き、幅広い問題を議論する場「アルスクーリア」を立ち上げた。