EXHIBI­TIONS

エキシビジョン

フン・ティエン・ファン「Full of debt」

フン・ティエン・ファン
フン゠ティエン・ファン《Volkswagen 6》2025年
Courtesy Misako & Rosen.

同ギャラリーでは初となるフン・ティエン・ファンの個展。1983年ドイツ生まれ、エッセンを拠点するファンの彫刻や映像作品は、日用品や文化的アイコンを引用し、ローファイな美学を通じた風刺的なユーモアと軽やかさを宿している。キャラクター化した彼女自身やベトナムと結ぶつく背景をもつ自伝的要素が多く登場し、アイデンティティの探究や、自身と社会的な役割との間にある緊張関係が描かれる。そこで考察されるのは、ジェンダーにまつわるステレオタイプ、ディアスポラ(離散した民)の家族史、世代間の記憶、若さ、芸術における労働などの普遍的なテーマである。ファンは人生の混沌をアートに持ち込むことで、美術の慣習に疑問を投げかけ、ズレや余白を含む開かれた表現を志向する。彼女は不完全さを肯定して固定的な意味を揺さぶることで、構築と解体が絶え間なく繰り返される空間を作り出している。


ミサコ&ローゼン

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リチャード・リザック「セッティング」展示風景 2023年
Photo by Kei Okano. Courtesy Richard Rezac and Misako & Rosen.

ローゼン・ジェフリーと美沙子により2006年、豊島区北大塚にオープンした現代美術ギャラリー。逐語的な表現に根ざしつつユーモアのある国内外のアーティストを紹介している。所属アーティストはリチャード・オードリッチ、有馬かおる、加賀美健、ダーン・ファンゴールデン、トレバー・シミズ、ジョシュ・ブランド、ファーガス・フィーリー、マヤ・ヒュイット、廣直高、ネイサン・ヒルデン、題府基之、高橋尚愛、南川史門、持塚三樹、茂木綾子、森本美絵、奥村雄樹など多数の作家を紹介している。