EXHIBI­TIONS

エキシビジョン

大竹伸朗「網膜」

大竹伸朗
大竹伸朗《網膜/Red Wind》1989–2025年
© Shinro Ohtake, courtesy Take Ninagawa.

近年は、東京国立近代美術館を皮切りに愛媛、富山へ巡回した大規模回顧展(2022年)でも注目を集めた大竹伸朗の個展。今回は、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で同時期に開かれる『大竹伸朗展 網膜』に呼応する形で〈網膜〉シリーズを発表する。1980年代後半から大竹が制作を続ける同シリーズは、廃棄されるはずだった露光テストフィルムを着想源として、そこに残る光の跡を大きく引き延ばし、透明のウレタン樹脂を塗布して作品化するもの。それぞれの作品は、時の経過とともに偶発的に生まれた新たな像を写し出す。それは作家が長年探究してきた「記憶」や「痕跡」を内包する、絵画の可能性についての考察でもある。


タケニナガワ

  • C-2
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Photo by Kei Okano. Courtesy of Take Ninagawa.

2008年、東麻布に開廊。戦後日本の実験的な美術の前例にならい、現代の問題に国際的な視座をもって取り組む幅広い世代の作家をプロモーションする。13年より「Art Basel」や「Art Basel香港」に参加。近年では、アートのグローバルサウス問題に取り組むプラットフォーム「SOUTH SOUTH」や、コロナ禍において世界中のギャラリー有志で立ち上げた「Galleries Curate」、「IGA(インターナショナル・ギャラリー・アライアンス)」など数々のイニシアティブに参加し、国際的な課題にも取り組んでいる。