EXHIBI­TIONS

エキシビジョン

サイトウマコト「みえるもの」

サイトウマコト
サイトウマコト《fence [2025-1]》2022-25年

サイトウは、ルシアン・フロイドやフランシス・ベーコン、アントナン・アルトーなど、人間の狂気が刻み込まれた顔を主題にしたポートレート作品で知られる。特徴的なのは、コンピューター上でモチーフを解体・再構成した網点状の設計図を制作し、これを膨大な時間をかけてキャンバスに絵筆で描くという、デジタルデータを受肉させるような手法である。今回は、近年取り組み始めた抽象的な大型ペインティング4点を発表。これらの新作は、上述のデジタル上での解体・再構成の過程で収集した多数のポートレートデータの断片から生まれた。彼の描く人間像は、欲望に駆られて情報の速度と量が際限なく膨張し続ける現代社会の末路も示唆するが、近年は、より原初的な主題を選ぶ傾向を強めている。自身はそれを魂の救済と呼んでおり、そのアプローチは転機を迎えつつある。


タカ・イシイギャラリー

  • G-2
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1994年の開廊以降、海外の現代作家を日本に紹介すること、そして日本を代表する写真家や新進気鋭の日本人作家の作品を海外へ発信する国際的な拠点となることの2つを目標として掲げ、展覧会企画を発展させてきた。ギャラリーの基盤は写真にありながらもその企画は現代に根ざし、取り扱い作家は様々な表現方法を用いている。年8回の個展あるいはグループ展に加え、作品の記録や発信を主な目的として、展覧会図録や書籍の出版も行っている。六本木のcomplex665に位置する主要スペースのほか、タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー / フィルムでは日本の戦前戦後の写真および映像作品を専門的に紹介。2023年には京都と前橋に新スペースを開廊し、国内外の作家との恊働プロジェクトを企画している。24年11月には京橋にも新たな展示スペースをオープンした。