EXHIBITIONS
エキシビジョン
メタル

In Situ / © Élodie Lesourd
エルメス財団が自然素材を巡る職人技術や手わざの再考、継承、拡張を試みる「スキル・アカデミー」の一環で出版する書籍『Savoir & Faire 金属』(岩波書店)の刊行を記念したグループ展。金、銀、鉄、鉛、真鍮など、人類の文明と共に歩んできた金属は、原材料となる鉱物や加工技術の多様性や価値の両義性をその特質とする。本展で、音楽、映像、造形の側面から金属を読み解いてゆくのは、3名のアーティストたち。メタル音楽を記号論的に解釈するエロディ・ルス―ル、日本古来の朱と水銀を媒介に内的宇宙と外的象徴を創造する映画監督の遠藤麻衣子、そして鉄球としての地球に人間活動を重ね合わせ、廃材を用いた作品を生み出す榎忠。本展は金属という素材が、文化の中でどのような属性を作り出してきたのか、またそこから発せられる両義性、魔術的思考と合理性、象徴性、闇と光、さらに社会階層などについて再考を促す試みとなる。
銀座メゾンエルメス フォーラム
- C-7
- 銀座

訪れる人々を迎える「メゾン(家)」というコンセプトで2001年に竣工。ランタンの灯りを思わせるガラスブロックを使った設計は 、建築家レンゾ・ピアノによるもの。8、9階にはエルメス財団の運営するアート・ギャラリー「フォーラム」を設置し、現代を生きるアーティストたちの創造や対話を、毎年3、4本の展覧会を通じて紹介している。自然光が注ぎ込む特徴的な展示空間はアーティストたちのインスピレーションの源となり、実験的な展覧会を生み出している。