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AWT BAR サウンドインスタレーション
Sound Installation for Ichio Matsuzawa’s Space
サウンドインスタレーションは、空間と音によって構成されるアートのかたち。2025年のAWT BARでは、リズムアンサンブル・goat の主宰でありYPYとしての活動でも知られる⽇野浩志郎が、松沢一応が「浮かびあがる空間」として設計したAWT BARの空間と呼応する音響体験を生み出します。AWT BARの各所に設置されるのは、今回のために制作された回転式の超指向性スピーカー。それらが動きを備えることにより、反射音が常に位置を変えながら響くことで、刻々と変化するサウンドスケープを体感できます。
日野浩志郎 コメント
松沢一応の設計によるAWT BARの空間は、「光の移ろい」「風に揺れる景色」「人々の動き」によって像が現れては消える。まるで蜃気楼のように、絶え間なく生成され続ける構造体である。私たちは、この視覚的なゆらぎと生成のプロセスに対して音でどのように応答できるのかを考えた。
透明な壁によって構成されたこの空間では、人々はその向こう側を視覚的に見通すことができる一方で、音は壁に反射し、空中を漂いながら、また別の風景を生み出し続ける。見通すことのできる構造の前において、音という「見えない存在」はいっそう際立つ。鑑賞者は目を閉じ、漂う音の行方を辿ることで、空間を耳で知覚することを促される。
本作では、反射音の存在をより明確に感じ取れるよう、空間全体に複数の超指向性スピーカーを吊り下げ、〈常に位置を変える反射音〉を散りばめている。音は建築物や壁に反射しながら、絶えず変化するサウンドスケープを生み出していく。
見えないものを感じ、音を聴くことで空間に気づくという行為そのものが、この場において鑑賞者自らの物理的な存在を浮かび上がらせる。
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プロフィール
日野浩志郎
音楽家、作曲家。1985年生まれ、島根県出身。現在は大阪を拠点に活動。メロディ楽器も打楽器として使い、複数拍子を組み合わせた作曲などをバンド編成で試みる「goat」や、それをノイズ/ハードコア的に解釈したバンド「bonanzas」、電子音楽ソロプロジェクト「YPY」などを行う。これまでの主な作曲作品に、視覚と聴覚の両面からミニマリズムに迫るリズムアンサンブル作品「Chronograffiti」(2025年)、サウンドアーティストFUJI|||||||||||TAと共に作曲・演奏した作品「INTERDIFFUSION A tribute to Yoshi Wada」(2021年–)、多数のスピーカーや移動する演奏者を混じえた全身聴覚ライブ「GEIST(ガイスト)」(2018年–)など。
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開催日時
AWT会期中常時
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参加費
無料/予約不要
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作曲・サウンドディレクション|日野浩志郎
機構制作|白石晃一
音響|WHITELIGHT
企画構成|中野勇介
制作進行|安藤雅晃
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